新米技術者の研究メモ

思いついた工学的なお題についてゆるーく考察・解説していくブログ。

チャージポンプ回路の動作周波数とコンデンサ容量

この記事は筆者が別ブログで掲載していたものをこちらに引っ越し、改訂したものです。(元ブログの記事は削除済み)

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今回はチャージポンプ回路の動作周波数を振ってみた時に、出力電圧がどうなるかを調べます。同時に、コンデンサ容量を変えた場合についても見ていきます。

 

 

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図1 チャージポンプ回路

 

図1がシミュレーションに使う回路です。今回は負荷電流を100mAに固定し、動作周波数を1k~10MHzまで振っていきます。その際、出力電圧の平均値とPP値を.measureコマンドで出力しておきます。シミュレーションは5msecまでの過渡解析なので、後ろ1msを平均して出力電圧としました。

 

PP値はリップル電圧や、出力の安定性の目安として出しておきます。さらにこれを各コンデンサ容量、4.7uF、2.2uF、1.0uF、0.47uFで回していきます。

 

 

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図2 解析結果
 

図2がその結果となります。左軸が出力電圧(実線)、右軸がPP値(点線)、横軸が動作周波数です。また色ごとに、回路中のコンデンサ容量が異なっています。(グラフ中凡例参照)なお.measコマンドでの結果が0になるエラー(?)が1,2個出たので、それらは間引いています。

 

動作周波数が低速、特に10kHz以下ではPP値が3.0Vもあって意図した動作になっていません。要はギザギザで全然充電できておらず、出力電圧も上がっていません。この回路だと、だいたい2MHz以上がイイ感じでしょうか?出力も安定しており、PP値も低い。

 

ただしコンデンサを低容量にしていくと、PP値が上がってくるので高速化しないといけません。低容量になれば電荷が抜けるのも早いので、それまでに充電する必要があるから?でしょうか。低容量にできれば、回路がコンパクトになってコストメリットがあります。むだに配線パターンが長くならず、ノイズ面でもメリットがあるかも?

 

 今回はここまで。

 

前回:チャージポンプ回路の動作を確認してみる

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