新米技術者の研究メモ

思いついた工学的なお題についてゆるーく考察・解説していくブログ。

リングオシレータ回路の動作を確認してみる

 

今回はリングオシレータという応用回路を検討してみたいと思います。リングオシレータとは、NOTゲートを奇数個繋げた回路です。それだけで出力が発振するという面白い回路になります。

 

奇数個である必要性は、出力を反転させる点にあります。例えば、入力がHレベルなら、出力はLレベルになり、そのLレベルが入力段に帰ってくるので、次に出力はHレベルになり、それをずっと繰り返して発振するという事です。

 

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図1 LTspice上におけるリングオシレータ回路

 

図1がLTspice上で組み上げたリングオシレータ回路です。CMOS回路を3段繋げて、入力と出力を短絡させます。それぞれゲート、ソース端に抵抗、ドレイン端にはコンデンサを配置しています。

 

ゲート抵抗は多分なくても大丈夫ですが、念のため入れておきました。ソース抵抗は、電流を制限したいので100Ωにしてあります。コンデンサ容量は適当(デタラメ)に0.1uを付けておきました。

  

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図2 シミュレーション結果(出力電圧)

 

 解析結果が図2になります。ちゃんと出力を発振させることができました。5Vより小さく、0Vより浮いているのは、それぞれ抵抗で電圧降下があるためです。発振周波数は16.2kHzでした。

 

ゲート抵抗を10Ω→100Ωにしたところ、15kHzくらいになり、あまり変わりませんでした。一方で、コンデンサを1ケタ落として0.01uに変更したら、128KHzくらいでした。さらに容量を小さくすれば、多分、より速く発振させることができると思います。(動作するかは分かりませんが)

 

厳密な計算式などで、正確に周波数を指定できるのだと思いますが、そちらについては、参考書にお譲りします。今回は動作を見てみたかったので。

  

今回はリングオシレータの回路を作成してシミュレーションしましたが、回路がとてもシンプルで、面白いです。精度を要求せずに、簡単な発振器が欲しい場合は適任かもしれません。

  

今回はここまで。

 

次回:リングオシレーターと出力コンデンサの関係

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この記事は筆者が別ブログで掲載していたものをこちらに引っ越し、改訂したものです。(元ブログの記事は削除済み)

 

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