※この記事は筆者が別ブログで掲載していたものをこちらに引っ越し、改訂したものです。(元ブログの記事は削除済み)
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今回はコンデンサのインピーダンスについて検討したいと思います。
そもそもコンデンサと一口に言っても、その内訳は真のコンデンサ成分の他に、等価直列抵抗(ESR)と等価直列インダクタンス(ESL)を含んでおり、実際はRLC直列回路と考えられます。
図1 合成インピーダンスZのプロット図
まずは古典的な回路理論をもとに、図1の様にRLC合成インピーダンスZをプロットしてみました。ここで適当(デタラメ)にESRを10mΩ、ESLを1nH、容量Cを0.1uFと仮定しています。また、RLC直列回路の合成インピーダンスZの式は、下記で表されます。
図1のグラフを見ると、ある周波数の点でインピーダンスが最小になっています。具体的には、この周波数では式中のωL-1/(ωC)の項が0となり、Z = ESRとなります。これを共振周波数と呼び、次式で求められます。
図2 検証用のRLC直列回路
図2の様な回路をLTspice上に書きました。電圧は0.01mVのSin波に設定し、周波数のみを変えた時の電流の振幅を比較します。
図3 RLC直列回路の電流解析結果
図3が解析結果になります。共振周波数16MHzに近づくにつれて、電流の振幅が大きくなっていることがわかります。これは、共振周波数に近づくにつれてインピーダンスが小さくなることと一致します。
一方で共振周波数より大きい周波数の場合は、共振周波数の時よりも電流の振幅が小さくなっています。これも最初のグラフの通り、高周波になる程インピーダンスが高くなるので納得ですね。
結果として、コンデンサの容量やESR,ESLによって狙える周波数が決まっていそうだ、ということが確認できました。共振周波数の時に最も効果的で、それ以外の周波数を網羅する場合には異なるコンデンサを並列に付けるか、手前にインダクタを実装してLCフィルタとするか、工夫が必要かもしれません。
今回はここまで。
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