新米技術者の研究メモ

思いついた工学的なお題についてゆるーく考察・解説していくブログ。

回路図レビューのやり方!新入社員がチェックすべきこと

製品の回路図ができあがったら、まずは関係各所から設計者が集まって、回路の正当性や品質をみんなでチェックします。

 

これを回路図レビュー(デザインレビュー)といいます。

 

経験を積んだ技術者たちが集まってきて、自分の回路図に「あーだこーだ」と言われるので、新人回路設計者にとっては大変な試練です。

 

正直、大学(または大学院)を卒業してすぐに回路設計をしろと言われても、学校で習った電気電子回路はほとんど記号遊びみたいなもの。

 

実際に設計したことなんてない人が多いでしょう。(私がそうでした)

 

それでも新人なりに、可能な限り準備はしたいものです。

 

そこで今回は、「最低限これだけはチェックしておこう!」という項目をリストアップしてご紹介します。

 

浅い経験であてにならないかもですが、新人で本当に困った方はぜひご参考ください。

 

目次-----------------------------

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回路図レビューで新入社員が最低限チェックしておくこと

線のつなぎ間違いはないか

まずは回路が正しく繋がれているかを全て確認しましょう。これはもう面倒でもやるしかないです。

 

デザインルールチェックや未接続確認などはCADソフトが勝手にやってくれますが、正しい場所につながっているかどうかは人が確認するしかないです。

 

CAD画面とにらめっこしてチェックするのもよし。

 

不安なら印刷でもして、蛍光ペンなりマジックなりで塗りながらやると、抜け漏れがなく、確実かもしれませんね。

 

繋がっていない場所は、このままOPEN(開放)でいいのか調べましょう。

 

コネクタの向きは間違っていないか

よくあるミスに、コネクタの向きがあります。

 

FFCやFPCの端子の向きをよく想像して、このピン配置であっているのか、実物を頭にイメージして確認しましょう。

 

FFCやFPCは端子の反転があったり、折り曲げることで端子が表裏逆転することは多々あります。

 

あるいは基板の位置や向きも、必ずしも相手の基板と同じ向きで製品に組付けられるとは限りません。

 

つまり、思っているピン配置とは真逆の順になることも少なくないです。

実物ベースで、イメージしながら確認しましょう。

 

抵抗が定格電力の半分以下で使われているか

一般的な慣習として、半分以下が多いと思っています。もし社内の規定があればそちらを遵守。

 

コンデンサの耐圧が印加電圧より大きいか

耐圧は余裕があったほうがいいです。ギリギリで使うのはやめましょう。

 

セラミックコンデンサの直流バイアスは考慮したか

例えば1uFと書いてあっても、印加される電圧によって実際の容量はその値よりも小さくなります。

 

詳細なデータは村田製作所のページで見れたはずなので、確認しましょう。

 

コンデンサの温度特性が製品の使用温度と合っているか

例えば高温下で使われるような製品ならば、その上限温度に耐えうる部品を選びましょう。

 

極性のある部品の向きを間違えていないか

電解コンデンサダイオードなど、極性のあるものは注意です。まぁあまり間違えることは少ないかもですが。

 

ICの未使用ピンが仕様書通りに処理されているか

使っていないICの端子の処理は、データシートを確認しましょう。

オープンなのか、ショートさせるのか、明記されていることが多いです。

 

ICのピンコンパチ品でもデータシートは確認したか

今まで使ってきたICのピンコンパチ品(フットプリントに互換がある)だからといって、そのまま使うと痛い目にあうことがあります。

 

ピンに互換があっても、中の機能に変更があったりするので気を付けましょう。

 

プルアップ・プルダウンを適切にしているか

IC内部にプルアップ・ダウンの回路があるのか、それとも外部で適切な抵抗を選ぶ必要があるのか。これを確認します。

 

廃盤や4M変更になる予定の部品を使っていないか

後継機種の開発を続けていると、回路の流用をし続けるため、電子部品がどんどん古くなります。

 

その機種を量産してから、部品変更になると余計な工数と手間がかかります。(その変更部品で品質に影響がないのかどうか調べる必要が出る)

 

なので古いICや部品がないか調べて、メーカー担当者に確認するか、あるいは社内で共有されている情報と照合するといいですね。

 

回路図の作法は守っているか

これは各社、各部署で回路図の流派や慣習みたいなものがあったり、そもそも社規で決まり事があると思うので、それを遵守できているかどうかチェックしましょう。

 

その上で、あくまで例えばですが、

  • 十字結線をしていないか(古いけど)
  • 紛らわしい文字を使っていないか(ゼロとDとO、イチとI、ハチとBなど)
  • 同じ部品名をつけていないか(R2024が二つあるとか)
  • 電源は上方、GNDは下方になっているか(おおまかな見た目の話)
  • 注意事項があるなら書く(大電流ならmax. 〇〇mAとか)
  • その他

 

おわりに

今回は、新入社員がデザインレビューで最低限見ておきたいことを書きました。

 

最初は本当に困るんですよね。

 

まぁ多分ボコボコにされると思いますが(私もそうでしたが)、むしろ熟練の方からタダで知識をもらえると思って、よろこんで望みましょう!

 

がんばってください。

 

また何か思いついたら追記しておきます。

 

おわり。

 

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